あらすじ
Kindness was muted first.
優しさが、最初にミュートされた。
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SNSで誰かを笑い、
困っている人を撮影し、
「譲ったら負け」とつぶやく日常。
それは小さなズルで、
誰にも迷惑をかけていないように見えた。
だがある日、
世界は日本にだけ反応しなくなる。
助けも、信用も、共感も――
すべてが「ミュート」された。
語り手は一匹の犬。
戦後を生きた老人のそばで、
静かに人間の変化を見続けてきた存在だ。
これは、
戦争も災害も起きないまま、
心だけが先に滅びていく国の物語。
「この国は、いつから
他人を切り捨てることで
自分を守るようになったのか?」
読み終えたとき、
その問いはあなた自身に返ってくる。
静かに怖い、
社会崩壊型パニックSF。