商鞅
「世の中には二種類の人間がいる。ルールを作る奴と、ルールに従う奴だ」 中国戦国時代。故郷の魏でくすぶっていた法家オタクの青年・公孫鞅(のちの商鞅)は、馴染みの食堂の看板娘・メイに一つの約束をする。 「俺がこの乱世をシステムから書き換える。バグだらけのこの世界を、法という名の絶対的なプログラムで動く、清潔で安全な国にしてやる」 西の弱小国・秦へと渡った彼は、その天才的な頭脳と現代的ですらある冷徹な合理主義で、またたく間に国を強大化させていく。 木を動かすだけで金を払うパフォーマンス。 王族の鼻を削ぐ容赦ない刑罰。 旧友すらも「コスト削減」のために騙し討ちにする戦争。 すべては完璧なシステム(国)を作るため。そして、愛する女を呼び寄せる場所を作るため。 だが、彼が法を完璧にすればするほど、その厳しさは人々の心を凍らせ、メイとの距離を決定的に広げていく。 これは、法という名の最強のシステムを作り上げ、そして最後はそのシステムによって自らを破滅させた男の、皮肉で、あまりに不器用な愛の物語。
