ランダム10

作品の中から、日替わりで各ジャンル10作品をランダムにピックアップ。思いがけない作品との出会いをお楽しみください。 (2026-02-03)

断章の家路

都市の片隅で静かに起きた一件の“転落死”。 事故として処理されるはずのそれに、ただ一人、遺族の女性・由利子だけが違和感を覚えていた。夫はなぜ、あの日、帰るはずのない時間に、あの場所にいたのか。手帳に残された“断片的な走り書き”は、どこへ向かおうとしていた証なのか。 調べ始めた由利子の前に浮かび上がるのは、夫の同僚たちの沈黙、買収の噂、そして会社の地下で隠すように進められていた一つの計画。事実へ触れようとするほど、人々の表情は硬くなる。 やがて彼女は、自分自身も“知らされない側の人間”だったことを悟る。 現代社会の闇を鋭利に抉り出す本格社会派ミステリ。

第1シリーズ:「理論×現場の出会い ―初証拠の迷宮―」

理論派の翔子と現場派のロン――正反対の二人が、ひょんなことから古代遺跡の調査チームに加わる。 書物では完璧に論理が成立しても、現場では小さな違和感や微細な証拠が真実を揺さぶる。 遺跡の砂文様、足跡、古文書の矛盾。二人は衝突しながらも、少しずつ協力の糸口を見出す。 さらに現れるライバル・田辺圭。妨害と心理戦が交錯する中、真実は誰の手に――? 読者は翔子とロンとともに、証拠を積み上げ、心理を読み解き、真実を追う冒険に没入する。

羅生門の手紙

大正十二年、作家・芥川龍之介の机から、 差出人不明の奇妙な手紙が見つかる。 封蝋には獣の爪跡。 中には“濡れた黒髪の束”と、 **「羅生門にて、今宵、主を返す」**という一文。 やがて、夜の浅草で―― “物語の中で死んだはずの誰か” が、 作者の家まで足跡を残して訪れる。 その足跡が途切れた場所にあった紙片には、 こう書かれていた。 「あなたの書いた死に方では、まだ死ねません。」 そして裏には、 もう一行だけ。 「次は、あなたの番です。」 大正浪漫・怪異・文学・論理が交差する、 ちるまな式・芥川事件簿ショートショート。

後宮の元妓女は寵愛を受ける

妓女として働いていた楊 可馨は売れっ子に成長していた。しかし、実父が金を支払い、可馨の身柄を引き取っていった。楊家に戻った可馨は大人しくて人前に顔を出せなかった気弱な三女として後宮入りをすることになる。充媛の位を与えられた可馨は皇帝の寵愛を受けることになる。これは元妓女が皇太后を夢見て成り上がっていく物語。 他サイトでも掲載中です

カスミ・ツバキ

【互いの名の花を食み死んだ二人が抱える、仄暗い秘密とは】 百合乃レナの親友、ダリア・シャネルは死んだ。 冷たい冬の夜、歩道橋から突き落とされたのだ――カスミとツバキの花束を抱えて。 彼女の死から二ヶ月。前を向くために最後の献花に訪れたレナは、一人の少年と出会う。 「なんで、その花なん?」 少年は名をツバキサクラといい、何故かダリアのことを知っていた。 「おれの兄、ツバキカスミは死んだとき、ダリアの花束を抱えてたんや」 そしてツバキは――人気急上昇中のアイドルだった。 お互いの名の花を抱えて死んだ、交わることのなかったはずの二人。 その死の真相を探るべく、レナはサクラと共に調査を開始する。 ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。 ※他サイトにも掲載しています。

誰も知らない午前四時の証言

午前四時――その時間に、教室にいた者は「誰もいない」はずだった。 だが、ある生徒だけがこっそりその場にいた、と主張する。 そして翌朝、教師が階段から転落し、謎の“未送信メッセージ”だけが残される。 自白か、偽装か、あるいは――告発なのか。 臆病で、他人の視線ばかりを気にして生きてきた高校生・成瀬は、“午前四時の証言”をした少女のために、事件の影を追う。しかし、真相に近づくほど、周囲の言動が不自然に噛み合わなくなっていく。 「信じる」という行為すら揺らぎはじめる中、成瀬が最後にたどり着くのは、想像もしなかった“優しすぎる犯行”だった――。

天宝監察録 ~唐代御史、乱世を裁く~

大唐・天宝元年。 帝国は華やかな繁栄の絶頂に見える一方、その根は静かに腐敗し始めていた。若き監察御史・沈文琛(しん ぶんしん)は、長安の倉庫「昭明倉」で起きた小さな失踪と盗難事件の調査を命じられ、そこで太平公主の残党組織と思われる黒札を発見する。御史台、大理寺、尚書省、六部、宦官、外戚が複雑に絡む官僚社会の中で、彼は初任務からすでに“生死の線”を踏むことになる。 やがて調査は、河西・安西四鎮の軍糧横領、南詔反乱を招いた地方官の圧政、西域に広がる巨大な汚職網へと繋がっていく。長安に戻れば、権臣・李林甫の死後に台頭した外戚楊国忠と宦官勢力が朝廷を支配し、琵琶奴事件に象徴される恐怖政治が広がっていた。沈文琛はその渦中で左遷されるが、范陽で密かに兵を蓄える安禄山の謀反計画を掴む。しかし彼の密奏は握り潰され、陰謀は止まらない。 755年、ついに安史の乱が勃発。潼関失守、玄宗の西逃、馬嵬坡の悲劇――帝国は大きく揺らぐ。沈文琛は後退軍の監察、将軍の腐敗暴露、史思明の二重反乱、回鶻援軍との交渉など、乱世の最前線で奔走する。ようやく長安は奪還されるが、今度は吐蕃軍が侵攻し、都を一時占領。宮廷内部の裏切りが露わになる。 その後の大歴年間、藩鎮三十六が割拠し、宦官が神策軍を掌握、皇帝ですら傀儡と化す。沈文琛は御史中丞として全国の腐敗と対峙し、河北・河東・淮南の割拠藩鎮を巡察するが、それは“死を覚悟する仕事”だった。建中年間には財政崩壊と民乱が頻発し、王仙芝の反乱が時代の終焉を告げる。 混迷の四十年。 国家を蝕む腐敗、終わらぬ陰謀、権力闘争の果てに、沈文琛はただ一つの信念を抱き続ける。 ——「史は欺けても、民の苦しみは欺けない。」 これは、一人の御史が帝国の盛衰を見届けた記録である。

バス停で雨宿りをしていたら名探偵の推理ショーに遭遇した

 ここは寂れた田舎のバス停、トタン屋根と背中合わせの長椅子があるだけ。  時刻表なんてほぼ白紙、使うのはミステリ好きで影が薄い私と、稀に買い物する爺婆くらい。  そんな場所に現れた二人の男女。  「彼を殺したのは、貴女ですね」  「……刑事さん、面白いことを言うのね。父が自白したでしょ?」  ショッキングな会話は私に気付かないまま展開されていく。  なろう、エブリスタ、カクヨム、ノベルデイズで投稿予定。